シミは1種類じゃない ― 種類と原因、化粧品でできること・できないこと【総まとめ】

鏡で「あれ、シミ増えた?」と気になったことはありませんか。ひとくちに「シミ」といっても、実は種類によって原因も、やっていいケア・避けたいケアも違います。このシリーズでは「ダイエットと肌」「腸と肌荒れ」を見てきましたが、今回は肌の土台となる紫外線対策と、化粧品・薬用ケアでできること・できないことを、書籍の根拠つきで整理します。

シミは1種類じゃない ― 代表的な4タイプ

  • 老人性色素斑(日光黒子): 顔や腕、手の甲など日光に当たる所にできる、茶色から黒褐色の平らなシミ。紫外線の影響で起こる「光老化」の症状のひとつです。2〜3mmほどの小さなものから5cmくらいのものまで大きさはさまざまで、徐々にいぼのように盛り上がってくることもあります(『美容医療を受けてみたいと思ったときに読む本』『美容医療認定看護師テキスト』)。
  • そばかす(雀卵斑): 両頬や目のまわり、鼻などに、2〜3mmほどの茶色い小さなシミがたくさん出るタイプ。小学生のころから出はじめ、遺伝的な素因がある人に起こるとされています(『美容医療を受けてみたいと思ったときに読む本』『美容医療認定看護師テキスト』)。
  • 肝斑: 30〜50代の女性に多く、頬を中心に顔の左右ほぼ対称に、木の葉や刷毛でなでたような形で境界がぼんやりと広がるシミです。妊娠・出産やピルの内服をきっかけに出たり濃くなったりし、閉経後に軽くなることがあるなど、女性ホルモンとの関わりが指摘されています。紫外線や摩擦(メイク落としや洗顔でこすること、マスクのこすれなど)も悪化の要因とされています(『美容の科学』『美容医療を受けてみたいと思ったときに読む本』)。ほかのシミに使われる通常のレーザーやIPLでは、かえって悪化してしまうことがあるため(『美容医療認定看護師テキスト』『コスメマイスター検定テキスト』)、気になる場合はセルフケアで様子を見るより医療機関に相談したほうがよいタイプです。
  • 炎症後色素沈着: ニキビや、くり返しこすったことなどによる肌の炎症が治まったあと、茶色っぽく残る色素沈着です。ニキビのあとは、赤みが引いたあとに色素沈着となり、時間の経過とともに自然に消えていくとされています(『美容の科学』)。レーザーによる施術のあとに出るものも、3〜6か月で消えることが多いとされています(『美容医療認定看護師テキスト』)。

4タイプの早見表

タイプ 出やすい場所と形 主なきっかけ 日常でできること 医療機関に相談したい目安
老人性色素斑 顔・腕・手の甲。輪郭がはっきりした茶色〜黒褐色 長年の紫外線 日焼け止め・帽子・日傘で、これ以上増やさない 盛り上がってきたとき、気になるとき
そばかす 両頬・目のまわり・鼻。2〜3mmの小さな点がたくさん 遺伝的な素因 日焼け止めで紫外線を防ぐ 気になるとき
肝斑 頬を中心に左右ほぼ対称。境界がぼんやり 女性ホルモン・紫外線・摩擦 こすらない・紫外線を防ぐ レーザーやIPLなどの施術を受ける前に
炎症後色素沈着 ニキビのあとや、こすった所 肌の炎症 こすらない 時間がたっても薄くならないとき
シミの4タイプ(老人性色素斑・そばかす・肝斑・炎症後色素沈着)の出やすい場所と形を、同じ顔で描き分けたイラスト
4タイプの出やすい場所と形(イラストはイメージです。実際の見え方には個人差があります)

なぜできる? 紫外線とメラニンのしくみ

顔や手の甲など、長年日光に当たってきた部分の肌の変化は、およそ8割が紫外線による「光老化」によるものとされています(『美容の科学』『美容医療認定看護師テキスト』)。残りは、年齢を重ねることによる自然な変化です。

シミの主な原因は紫外線B波(UVB)です(『美容医療認定看護師テキスト』)。UVBを浴びると、表皮の細胞からメラノサイト(メラニンを作る細胞)を活性化する物質が作られ、メラニンが多く作られます(『美容の科学』)。メラニンはもともと、紫外線から肌の細胞の遺伝子を守るための防御反応です(『コスメマイスター検定テキスト』)。作られたメラニンは、肌の生まれ変わりとともに外へ押し出されて消えていきますが、メラニンが作られすぎたり、加齢などで代謝が落ちたりすると肌の中にたまり、シミの原因になります(同書)。

紫外線がメラノサイトを活性化しメラニンが作られる仕組みの図解

化粧品・薬用ケアでできること、できないこと

美白をうたう化粧品・医薬部外品に認められているのは、「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ」という範囲です(『スキンケアカウンセリング』『コスメマイスター検定テキスト』)。つまり、これからできるシミを防ぐためのものです。すでにある日光黒子やそばかすに、美白成分入りの医薬部外品を長く塗っても効果は限られ、やや薄くなる程度と考えたほうがよい、とされています(『美容医療を受けてみたいと思ったときに読む本』)。

化粧品の成分が浸透して働くのは、肌のいちばん表面にある角層までと法律上は解釈されていて、広告で浸透をうたう場合は「角層まで」と書き添える決まりがあります(『コスメマイスター検定テキスト』)。美白成分は働き方で大きく3つに分けられ、メラニンを作らせない、作られたメラニンを還元する、メラニンの排出を促す、の3系統があります(『美容の科学』)。

肝斑のように、市販のケアの範囲を超えるタイプのシミもあります。トラネキサム酸の飲み薬などは医薬品なので、医師や薬剤師に相談して使うものです。サロンやセルフケアでできることとは分けて考える必要があります(『美容医療を受けてみたいと思ったときに読む本』)。

今日からできる「防ぐ」ケア ― 日焼け止めの量と塗り直し

日焼け止めのSPFやPAの表示は、肌1cm²あたり2mgという決まった量を塗って測った数値です。ところが、実際に塗っている量はその半分以下という研究報告があり(『美容医療を受けてみたいと思ったときに読む本』)、約4分の1とする本もあります(『スキンケアカウンセリング』)。顔の適量はパール粒2個分が目安で、汗などで流れたときは2〜3時間おきを目安に塗り直します(『コスメマイスター検定テキスト』)。「たっぷり」と感じるくらいの量が、実はちょうどよい可能性があります。

パール粒大の日焼け止めを指先に出している写真

紫外線を防ぐ基本ケアのひとつとして、有効成分ナイアシンアミドを配合した薬用UVクリーム(UVセラム、医薬部外品)のような製品を選ぶのも一つの方法です。SPF50+・PA++++で、「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ」ことが認められた医薬部外品です。量を惜しまず、塗り直しとセットで使うのがポイントです。

よくある質問

Q. シミは放っておくと自然になくなりますか?
タイプによって違います。ニキビのあとなどの炎症後色素沈着は、時間の経過とともに自然に消えていくとされています(『美容の科学』)。肝斑は閉経後に軽くなることがある一方、紫外線や摩擦で悪化もします(『美容医療を受けてみたいと思ったときに読む本』)。日光黒子やそばかすは、美白成分入りの医薬部外品を長く使っても、やや薄くなる程度と考えたほうがよいとされています(同書)。気になる場合は、自己判断せず皮膚科などで相談するのがおすすめです。

Q. 美白化粧品を使えば今あるシミもきれいになりますか?
美白化粧品・医薬部外品の役割は「これからできるシミ・そばかすを防ぐ」ことです。すでにある日光黒子やそばかすには、やや薄くなる程度と考えておくのが実態に合っています(『美容医療を受けてみたいと思ったときに読む本』)。

Q. 日焼け止めさえ塗っていれば大丈夫ですか?
量と塗り直しの頻度が想像以上に効いてきます。表示どおりの力を引き出すには「たっぷり・こまめに」が基本です。帽子や日傘、サングラスなどで光を物理的にさえぎる方法との併用もおすすめです(『美容医療を受けてみたいと思ったときに読む本』)。


シミのタイプを知ることは、次に「自分に合うケア」を選ぶための土台になります。肌全体の調子については「ダイエットすると肌はどうなる?」「腸と肌荒れの関係」もあわせてご覧ください。