サプリと化粧品、結局どっちが効くの? ― 内側と外側、それぞれにできること・できないこと

サプリと化粧品、それぞれにできること・できないこと

「美容液を買い足すべきか、それともサプリを始めるべきか」。どちらにお金をかけるか迷ったことのある方は多いと思います。検索すると「結局は内側から」「肌は外側のケアがすべて」と、どちらか一方を強く推す記事ばかりが出てきます。

けれど化粧品とサプリメントは、法律上の位置づけも、届く場所も、できることの範囲も違うものです。この記事では、あえて「できないこと」から先にお伝えします。そのほうが、今の自分に何が足りないのかを選びやすくなるからです。

化粧品にできること・できないこと ―「浸透は角層まで」というルール

角層(かくそう)は皮膚のいちばん外側にある層で、外からの異物の侵入を防ぎ、水分を保持しています。この角層の水分は、皮脂膜・NMF(天然保湿因子)・角層細胞間脂質の3つの働きで保たれていると『コスメマイスター検定テキスト』は説明しています。

そして化粧品は、薬機法上、浸透する範囲は角層までと解釈され、効果も角層までに限定されています。「化粧品等の適正広告ガイドライン」では、浸透表現を使う場合は浸透部位が「角層」や「毛髪」の範囲内であることを併記するよう指導されており、真皮に浸透して作用するような広告は禁止されています(同書)。広告で見かける「浸透は角層まで」という小さな注釈は、このルールに沿ったものです。

化粧品として表示できる項目も56種類の範囲に限られます。『スキンケアカウンセリング』は、清浄にする、うるおいを与える、キメを整える、肌荒れを防ぐ、乾燥による小ジワを目立たなくする、といった例を挙げ、コラーゲンなどの「コンセプト成分」も配合目的を超えた効果はうたえないと説明しています。

「薬用」と書かれた医薬部外品も同じです。『コスメマイスター検定テキスト』は、医薬部外品はあくまで主に予防を目的としたもので医薬品のような働きはなく、薬用だから病気が良くなるという考えは誤りだと明記しています。美白についても『スキンケアカウンセリング』によれば認められているのは「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ」という範囲までで、すでにできたシミ・そばかすを薄くする働きは厚生労働省が認めていません。

つまり外側のケアは、角層の環境を保ち、これから起こることを防ぐのが得意分野です。

化粧品の浸透は角層までという図解

サプリ(食品)にできること・できないこと ―「効きます」と言えない理由

サプリメントは立ち位置が違います。『コスメマイスター検定テキスト』によれば、一般的なサプリメントは食品に分類されるため国の認可は必要なく、むしろ食品であるがゆえに効果をうたうと医薬品の扱いとなり、販売者や製造者が取り締まりの対象になることもあります。

トクホ(特定保健用食品)も同様です。同書は、トクホマークは消費者庁が「保健の用途・効果」の表示を許可したもので、医薬品と区別するため症状や疾病の改善につながる表示はできず、病気の回復を目的として摂取するものではないと説明しています。

では役割は何か。同書の答えは「毎日の食事が基本であり、サプリメントはあくまで日常の食事で不足している分を補完的に摂るもの」。食事を抜くなど不摂生の埋め合わせに使う考えは間違いだ、とまで書かれています。

期待できる範囲についても正直な言葉があります。『人体の旅』では、国立健康・栄養研究所の梅垣敬三センター長がビタミンCを例に、食品やサプリメントからの摂取で期待できるのはあくまでも予防的な効果であり、病気の回復や、多くとることによる健康増進が期待できるわけではないと語っています。この考え方は、他の栄養素のサプリメントにもそのまま当てはまるものです。

コラーゲンは飲むと肌に届く? 塗ると届く?

内側と外側の違いがはっきり出るのがコラーゲンです。

まず飲む場合。『人体の旅』は、膵臓病学を専門とする弘前大学の丹藤雄介博士への取材をもとに、コラーゲンは食べてもそのままコラーゲンとして体をつくるわけではなく、膵液の消化酵素などで細かくなってから吸収されると説明しています。タンパク質は一度分解されて再合成されるため、とったコラーゲンがそのまま体内でコラーゲンとして使われるわけではない、というわけです。

ただし「意味がない」とは受け取らないでください。分解されたアミノ酸は小腸から吸収され、血流に乗って全身の細胞へ運ばれ、新たなタンパク質の材料になります。コラーゲンは「完成品」ではなく「材料」として使われる、という理解が実際に近いものです。同書は、ビタミンCが体内でコラーゲンが形成されるときに必須の成分であることにも触れています。

『コスメマイスター検定テキスト』も両論を併記しています。飲料やサプリで摂った場合は消化器官で分解され、アミノ酸やペプチドに変わってから腸で吸収されるため、肌に届いて再びコラーゲンとして働いているという確証は見つかっていない。ただしメーカーを中心に研究も進み、線維芽細胞に働きかけヒアルロン酸合成を促進したとする実験結果も報告されている ― という書きぶりです。

塗る場合はどうでしょうか。同書によれば、皮膚のI型コラーゲンは分子量が約30万と大きく、真皮どころか角層を通過することもありません。ただし塗布されたコラーゲンは表皮に保護膜を作るため、化粧品成分としては有用だとされています。なお、化粧品には分子量を小さくした低分子コラーゲンもありますが、化粧品である以上、浸透は角層までという範囲は変わりません。

飲んでも塗っても「そのまま肌のコラーゲンになる」近道は確認されていない。けれど飲めば材料になり、塗れば表面を守る膜になる。役割が違うだけです。

飲んだコラーゲンがアミノ酸に分解され材料になる図解

クロレラの研究からわかること・わからないこと

サプリの研究をどこまで肌の話に使ってよいか。当店が扱うクロレラを例にします。

査読付きのレビュー論文『人の健康を促進するための栄養補助食品としてのクロレラの可能性』には、797名を対象とした19件のランダム化比較試験(参加者をくじ引きのように分けて比べる方法)をまとめたメタアナリシスが紹介されています。クロレラの補給は血清総コレステロール、LDLコレステロール、収縮期および拡張期血圧、空腹時血糖値の改善に有意な効果を示す一方、中性脂肪、HDLコレステロール、BMI(体格指数)には影響を及ぼさないとの結論が得られた、と報告されています。摂取量や期間は個々の試験によって異なります。

ここが大切なところです。この論文には「肌」「皮膚」という言葉での記述がありません。肌への直接的な効果を検証した研究ではないのです。近いものとして、1日6gを4週間摂取する盲検ランダム化クロスオーバー試験で唾液中の分泌型免疫グロブリンA(粘膜を守る抗体)の分泌が有意に増加したという報告(人数はこの論文には示されていません)はありますが、これは粘膜免疫の話で、皮膚のバリアそのものへの言及ではありません。

また、この論文で紹介されている個々の試験には、軽度の高コレステロール血症の方63名(1日5gを4週間)や境界型糖尿病の方28名(1日8gを12週間)を対象にしたものが含まれており、健康な方にそのまま当てはまるとは限りません。この論文の著者にクロレラの原料メーカーの社員2名が含まれる点も、知っておいてよい情報だと思います。

ですので、お伝えできるのはここまでです。クロレラには血糖値や脂質など「体の土台」にあたる指標を対象にした研究が積み重なっている。けれど肌への直接的な効果は、この論文からは言えません。

なお、上で紹介した試験は1日5〜8gという量でのもので、当店の商品の目安量(1日約2.5g)とは異なります。研究結果がそのまま当てはまるものではないことをご承知おきください。

当店のMESTAY MERRY クレンズは、クロレラにこんにゃく由来のグルコマンナンと野草酵素エキスを合わせたサプリメントです。食品ですので食事の代わりにはならず、毎日の栄養バランスの土台を補う位置づけとしてご利用ください。

内側と外側、両方をどう使い分けるか

ここまでを整理します。

外側(化粧品・医薬部外品)

  • できること: 角層にうるおいを与え、乾燥や肌荒れを防ぐ / 日焼け止めで日やけによるシミ・そばかすを防ぐ / 医薬部外品の美白は「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ」まで
  • できないこと: 真皮に浸透して作用すると表示する / すでにできたシミ・そばかすを薄くすると表示する(認められている範囲を超える) / 医薬品の代わりになる

内側(食事・サプリメント)

  • できること: 体をつくる材料と栄養素の不足を補う
  • できないこと: 食事の代わりになる / 効果をうたう / 医薬品の代わりになる

順番をつけるなら、土台は食事と睡眠、次に洗顔・保湿・日焼け止め、そのうえで足りない分をサプリメントで補う、という並びが無理がありません。

セルフケアで抱え込まないでほしい場面もあります。シミの色や形が急に変わった、出血やかゆみを伴う、肌荒れが長く続くといったときは、化粧品やサプリを買い足す前に皮膚科の受診をご検討ください。また『コスメマイスター検定テキスト』は、医薬品を服用していてサプリメントを摂りたい場合や、サプリを摂っていて医薬品を飲む必要が生じた場合は、まず医師・薬剤師に確認したほうがよいと促しています。処方されたお薬を自己判断でやめることのないよう、お願いいたします。

外側のケアと内側のケアの役割分担の図解

よくある質問

Q. 化粧品の「浸透は角層まで」という注釈は、効いていないという意味ですか?
「効いていない」という意味ではなく、化粧品として認められている表示の範囲が角層までだという意味です。『コスメマイスター検定テキスト』によれば、化粧品は薬機法上、浸透する範囲が角層までと解釈され、広告でもその範囲内である旨を併記するよう指導されています。うるおいを与える・肌荒れを防ぐといった働きは、この範囲の中でのものです。

Q. 飲むコラーゲンは無駄なのでしょうか?
「そのまま肌のコラーゲンになる」とは言えませんが、無駄という意味ではありません。『人体の旅』によれば、タンパク質は一度分解されて再合成されるため、飲んだコラーゲンは材料として使われます。『コスメマイスター検定テキスト』は、肌に届いて働いている確証は見つかっていない一方、研究も進んでいると両論を併記しています。

Q. サプリを飲んでいれば、食事は適当でも大丈夫ですか?
『コスメマイスター検定テキスト』は、毎日の食事が基本でサプリメントは不足分を補完的に摂るものであり、食事を抜くなど不摂生の埋め合わせに使う考えは間違いだと書いています。

Q. お薬を飲んでいますが、サプリメントを始めても大丈夫ですか?
自己判断は避けてください。同書は、サプリメントと医薬品の相互作用には解明されていない部分も多く思わぬ副作用が生じる可能性があるとして、医師・薬剤師への確認をすすめています。

まとめ

サプリと化粧品は、どちらが効くかを比べる関係ではありません。化粧品は角層までという範囲のなかで肌の環境を整え、これから起こることを防ぐもの。サプリメントは食品として、体をつくる材料と栄養素の不足を補うものです。

できないことを先に知っておくと、広告の言葉に振り回されにくくなります。そのうえで自分の生活のどこに穴があるかを見つけ、内側と外側から少しずつ埋めていく。遠回りに見えて、これがいちばん確実な道だと考えています。

あわせて読みたい